2008年 09月 29日
鎌倉の秋・・・その2 秋の風情 |
今日の鎌倉は朝からぐっと冷え込み、長袖でないと寒いような一日でした。
数日前から眼を付けていた彼岸花(曼珠沙華)の群生が、そろそろ満開な
頃と思い、散歩の時に立ち寄ってみました。
やはり満開で、八幡宮の脇のけっこう細い道なのですが、カメラを構えて
いる人がけっこういたので、案外知られている場所なのかもしれません。
私は、この花にはあまり良い記憶がありません。
まだ祖父が健在だった幼い頃、親族一同でお墓参りに行った時のこと。
お墓の掃除も終わり、皆で祖母や御先祖様をお参りして、皆で墓地から
帰ろうと歩いている時、私は皆より早く墓地から出ようと、走っていたら、
片方の靴が地面にせり出していた木の根っこに引っかかり、足が抜けなく
なりました。一生懸命抜こうとしたのですが、焦れば焦るほど抜けません。
他の皆は話しながら、歩いていたため、そんな私を追い抜いていきました。
そのうち私が、もたついていることに気付いた従姉が「○○ちゃん早う~」と
呼びました。その時、顔を上げた私は、皆がかなり先に行ってしまったこと、
そうすると、もしかすると、今墓石の傍にいるのは私だけかもと、思わず
周りを見回しました。自分でその事実を確かめた私は、大声を上げたのか、
泣いたのか、その後の記憶は定かではありません。
ただ、眼に入ったのは、誰もいない墓石の群れと、鮮やかな彼岸花の群生
でした。その前に、亡くなった人の周りに彼岸花を植えると従兄から聞いて
いたことを思い出し、恐怖で声も上げられなかった・・・のかもしれません。
とにかくそれ以来、私は彼岸花が嫌いでした。
ただ最近、この歳になってようやくそういう記憶が薄れてきたのか、何事にも
感性が薄れて、恐怖感も無くなってきたのか、いつのまにか彼岸花を見ても
動じなくなり(大人になるってそういうことなのかもしれません)この花が咲くと、
恐怖感より、本格的な秋の訪れを感じるようになっていました。
彼岸花の群生の上に咲いていた萩の花です。
もう殆ど散ってしまって終わりがけなのが残念ですが、私は秋の花の中で、
萩の花が一番好きです。そして鎌倉の秋に一番似合う花だと思っています。
小さな花の中に、そこはかとない、紫色のグラデーションが重なり合っていて、
これまた細かい葉っぱと一緒に揺れている様は、まさに「秋の風情」です。
こちらは、「萩の寺」として有名な宝戒寺の白萩。
只今満開です。
そして今日、ポール・ニューマンの訃報を知りました。
この人も大好きでした。
「熱いトタン屋根の猫」・・・この映画での彼の役、妻を愛しているのに疑ってしまう
という主人公。屈折した笑顔が最高でした。
そして彼本人の生き方、信条を尊敬していました。
またひとり、最高の「アメリカの男」がいなくなってしまった・・・と思います。
#
by toco-luglio
| 2008-09-29 02:28
| 鎌倉散歩